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理学療法士になりました                    ~リハビリ 日々是好日~
リハビリスタッフとして仕事をしながら、日々思うこと、記憶に残ったことを記録していきます。

プロフィール

どら吉

Author:どら吉
年齢   : 39歳
性別   : 男性
略歴   : 大学  ドイツ文学科を専攻
     : その後 金融機関に就職
           システムエンジニア
     : 退職後 専門学校に入学
           理学療法学科を専攻
     : その後 病院・診療所に勤務
     : 現在  診療所にて
           通所リハビリ業務
           訪問リハビリ業務



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医師のつぶやきから

こんばんは。

 先日、私が千葉県にて、がんピアサポーターの活動をしている尊敬すべき友人から聞いた話に、
千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム での基調講演にて、萬田緑平医師の話があったということでした。
群馬にて緩和ケア診療所を開設している医師です。

 地域医療に関わる自分としても、がん患者さんの終末期に関わることはありますが、
在宅にて最期の看取りまで関われた人はほとんどいません。
 最期の最期に、本人の意思なのか、家族の意思なのか、救急車にて病院に搬送されて、または、
調子が崩れた際にそのまま入院して、病院にて最期を迎える場合が多いのです。

 ですので、その利用者さんとお会いするのは、最期の1ヶ月前くらいのことが多いかと思います。
私が話を聞いた友人はALSなどの難病の方を中心に回っているのですが、
その人の話だと、ALSなどの場合は、まだ余力のある間は、自宅で最期を、と考えている人であっても、
最期に呼吸が苦しくなってくる段階になると、最初の意志とは違う選択をして入院する場合もあると
のことです。 
 私自身も、延命措置としての人工呼吸器は付けたくない、と考えていますが、実際にその立場に
なる前の身体状況、心理状況は今想像しているのとは全く違うのかもしれません。

 さて、その萬田医師のコメントの中で、いくつかを、無断で掲載させてもらいます。

我々は月に20人の看取りがある。しかし余命1日が「当たる」確率は半分以下だろう。
余命1日がわからないのだから数ヶ月や半年が「当たる」わけない。
「当てる」なんて失礼だろう。自宅で家族が「好きに生きていいよ」と言ってあげると本人は好きなように生きられる。

人の体は徐々に老化により低下していく。しかしその老化は日々感じるのではなく、怪我や検査治療をきっかけにがくんと落ちる。安定期と降下期があるのだ。安定期は永久に続かない。
安定期が長ければ長いほど降下期は大きく低下するのが当然なのだ。
「こないだまで元気だったのに、急に」が普通なのだ。

「がんで死ぬのならしょうがないが、食べられなくなって死なせるのは可哀想。これでは餓死です」。
「がん」で亡くなる事、「死」がどういう事かを知らない家族は死を受け止められない。
こうして本人の意志にかかわらず治療が選択され、本人が「可哀想な状態」と家族が判断(諦める)するまで続く。

きちんと亡くなる準備はしましょう。その上で長生きする準備と計画を一緒に立てましょう。
実は病気でない、あなたにとっても変わらないことだと思います。
明日でおしまいの準備をした上で、はじめてあなたの好きなように生きられるのではないでしょうか

「大きな病院に入院させ、十分な医療をしてあげたのだから」家族はそれで満足かもしれない。
よく考えて欲しい。家族の満足と本人の満足が同じなのか?
「これでよかった」と本人が感じて初めて正解なのでしょうか。
その人の正解、満足はその人しか持っていない事、本人が決める事だと気付いて欲しい。

「今まで病気一つしたことなかったのに」「健康、食事に気をつけていたのに」「この前まで元気だったのに」と、
癌と診断されその運命を嘆く。不健康にしていたら癌になる確率は増え、
健康にしていたら減るが、実はその発癌への影響はほんのわずか。
半分の人が癌になる。必ずなると思っていた方がいい。

抗癌剤は減量せずに続けたら死んでしまう薬。無理に続けても寿命を短くするだけ。
丁度良いところでやめるのが上手な使い方。
そして抗癌剤は治療をやめてからが勝負。そこから副作用を乗り越えて、元気になって人生を楽しまなきゃ。
みんな、やめたら最後だと思ってる。かわいそう。

確かに「頑張れ」と支えることは大切だ。しかし亡くなるその瞬間まで「頑張りたい」と思っている本人は少ない。
そう、どこかで「もう頑張りたくない」と思う時期が大抵くる。
それが亡くなる直前であることもあれば、亡くなる1年前、
いや最初から“病気とは戦いたくない”と思っている人もいるのです


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COPDについて

こんばんは。

 本日は、以前よりは我々が耳にすることが多くなった、COPDという疾患について述べたいと思います。

以前は、慢性気管支炎とか肺気腫という分けた呼び方をしていましたが、
(前者は診断名として、後者は病理学の用語として)

基本的に喫煙が原因であることが多く、また、気管支炎も肺気腫も併発することが多いということも
あって、現在では、
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という呼び方になっています。Chronic Obstructive Pulmonary Disease の略です。

2001年に 国際的なガイドライン (GOLDといいます) ができてから、世界にならって日本でもこの
呼び方で統一されています。

 まぁ、小難しいことはおいておいて、
copd.jpg4d91c7d0bc868.jpg
こんな感じにて、
 ① 気管支に炎症がおこり、咳やたんがかなり出る状態
 ② 肺胞に有害な物質が入り込み、胚胞の壁が壊れたり固くなる
です。
また、この図をよくみると、 健常な肺の方が、横隔膜の部分が盛り上がっていて、小さく見えます。
肺というのは、この横隔膜という筋の動きによって、
呼吸を行っています(それだけではないですが)。 
COPDでは、この横隔膜があまり動かず、肺の伸び縮み自体がうまく行えないのです。
ですから、なんとなくノベーとした形です。
fe4550e843d576d81d6bbd511c84d47a.jpg
ちなみに色はこんな感じです。
このCOPDを判定するのにスパイロメータと呼ばれる装置を用いることが多いのです。
spirometer02.jpg
これによって、
肺活量      ( 胸いっぱい吸って ぜーんぶはく量) 
%肺活量    ( 年齢に対し、基準値と肺活量の実測との比率 )
努力性肺活量 (胸いっぱい吸って 一気にはく )
1秒量      ( 努力性肺活量のうち、最初の1秒の量)
1秒率      ( 努力性肺活量と 、 最初の1秒の量の比率)
残気量      ( 息を吐き切ったあとに肺に残っている空気の量)

などがわかります。 訪問リハビリなどで、これを携帯できて測ることができれば、
かなりの評価となりますが、、、実際にはパルスオキシメーターくらいです、はい。

 健常者は、 肺活量 と 努力性肺活量 はほぼ 同じくらいです。
 COPDでは 後者のほうが少なくなる傾向があります。

 1秒率は、健常者は7割以上(70%以上です)。 
 これは、 気道の中での気流の通りやすさを表すものです。
 これが低下する代表的な疾患が、 COPDです。 

 < 閉塞性 >というのはこのあたりからイメージできると思います。
COPD2.jpg
 このグラフを見ると、
 喫煙者では気道の通りが悪く、禁煙してもなかなか改善されないんだな、というのがよくわかるかと
思います。

 先にも述べましたが、COPDのひとは、肺がもともと膨張しているため、いっぱい吸いこめる余地があまりなく、
また呼吸筋も弛緩しており、横隔膜も動きが乏しく平たくなっているために、
息を吐き切った後の残気量も肺の中に多いのです。

パルスオキシメーター

こんばんは。 

 本日は、パルスオキシメーターについて書きます。
sub1_image_5422.jpgL_00739601.jpg
この業界の方なら問題なくピンとくるかと思いますが、
利用者さんの指(写真では示指につけていますが、実際にはどの指でも同じ価となるはず、です)
を用いて、測定します。

この装置は、2種類の光を用いて、
動脈血内の酸素量をしめします。
言い換えると、
肺から取り入れた酸素が、血液中の赤血球の中のヘモグロビンと結びついた割合
てなわけです。

血中酸素飽和度 または SPO2 といいます。 

多くのパルスオキシメーターは、このSPO2と、脈拍を同時に測定します。
point_il02.gif
2つの光というのは、赤色光 (セキショクコウ) 赤外光(セキガイコウ) のことですが、
まぁ、小難しい話はおいておいて、
セキショクコウ というのが多くセンサーにて感知されれば、ヘモグロビンと酸素が結びついた
赤い色が血液に多い、ということになるくらいに考えればよいです。
pulsebook-3.jpg
まぁ、こんな状態が多いと、動脈血は良好、ということです。

 もともとこの機械は、手術のときのバイタルサインをチェックするものとして普及しました。

現在は、脈拍、体温、血圧、呼吸に加えSpO2は第5のバイタルサインです。
いいかえれば、あくまでそのレベルですので、 過信したり、 こうだからこう、とあまり考え過ぎないことです。
つまり、利用者さん、患者さんの状態があまりよくない、という判断基準の一つ、くらいに考えるべきです。

 健常者のSPO2はおおむね 96-99%の範囲です。 まぁ、たばこを好む人は、99%いかないひと
多いですが。
 一般には、SPO2が90%をきると、(急性)呼吸不全という診断となることがありますが、

そのひとの平常のSPO2 から 3-4%の下降があれば、何らかの急性の状態であると推測されます。
(ただし、平常でも3-4%の変動は当たり前、という方もいるので面倒です)

 基本的には血圧と同じで、その人の安静時の状態を長期的に記録し、その価の急激な変化を
チェックします。 まぁ、血圧・体温と同じレベルで認識すべきです。

 パルスオキシメーターが誤差を生じる場合は、以下の場合があります。
① 異常ヘモグロビンの影響 ~ 我々が普段使うようなパルスオキシメーター(写真のような安めのもの)
                     では、酸素を運ばないヘモグロビンの測定を誤ってしまい、低く出ます。

② 色素の影響 ~ 血液中に色素を注入している時 (これも2つの赤色・赤外光の透過性に影響します)

③ マニュキュア

④ 激しい体動  ~ 基本的には動いている時には正確にははかれません

⑤ 腕や指の圧迫 ~ 血圧測定時や、エルゴメーターをこいでいるときなどは、正確には測れません。
              二の腕に力が入っている時もです。

⑥ 末梢循環不全 ~ 指で測るので、指先が冷たくなっていたり、循環が悪い場合は、正確には測れません
               私は自分の手も冷たいので、相手の手を温めるのに苦労します
⑦ 周囲の光  ~ 直射日光や、照明の光、蛍光灯などの光が強い場合は誤差がでます。

⑧ 電磁波   ~ 測定中に、近くにテレビや携帯電話がある場合

⑨ 正しく装着されていない場合 

まぁ、こんな感じです。 まぁ、電動血圧計での測定も、その瞬間によってかなり誤差があるのと同じです。

このパルスオキシメーターは、高山での低酸素トレーニングなどでも目安として使いますし、
飛行機での訓練にも使う場合があります。

我々セラピストは、おもにCOPDの方に対して、歩行時や運動時の変動、リスク管理として用いますが、
その人の安静臥位時、安静坐位時、安静立位時、臥位での運動時、座位での運動時、
立位での運動時、 そして 歩行時 にそれぞれ目安として測定し、
どの程度の変動があるかをみます。

ただ、絶対値での評価ではなく、あくまで、血圧や体温と同じで、その人の長期的な安静時の状態
と比較することが大切となります。


仏師

こんばんは。

  本日は、脳梗塞にて左片麻痺の運動麻痺を生じた80歳のMさん、女性のお話しです。

この方は、20代にて離婚を経験した後、仏師として生きてこられた方です。

仏師とは、日本においては、仏像を彫る人たちを指しますが、これは別に資格というのではなく、
その道を歩んでいるひと、という感じです。

 私の所属するデイケアにおいては、利用者さんに手工作の一つとして、細い木から、カンナを用いて
その木を研いで、お箸を作る、という木工を取り入れています。
 その木工の作業を、このMさんは他の人とは違う真剣は表情にて取り組んでいます。何となく、
雰囲気が違うのです。

 Mさんは、高次脳機能障害が強く、気分障害もあり、なかなか自分のことをお話する人ではないので、
その後のお話しで、少しずつ、以前仏師をやっていたことが判明しました。

 私も仏像などの鑑賞は嫌いではないので、 円空さんの彫り物のお話しなどをしたところ、
その仏師という人生はなかなか大変な選択だということが分かりました。

 仏像の作製は、主にお寺から依頼があるのですが、まずは、その素材(木ですね)を選定し、
おおまかに作っていきます。そして、ある程度の形が整えば、今度は、
その仏像を設置場所に置いてから、仕上げの細かい作業を行う場合が多いようです。

 大きな仏像の場合は、脚立に上がり、その上で長く作業をする必要があります。
また、その作業をするお寺自体が、山の上であったり、丘の上であったり、
町の中にあって、自宅から電車で簡単に通える場所にはないのです。

 よって、多くの場合は、仏像の制作には1年以上の月日をかけ、また、その際には、
自宅には帰らず、お寺の宿坊などに泊まりこんで行うこともあるようです。

 お金というのも、その作品ごとに交渉で決まり、だいたいは、開始時に1/3、途中で1/3、
仕上げてから残りをもらうことがあるようです。

 その仕事が終わったからといって、次の仕事が確約されているわけでもないので、
仏師は、決して生活自体が安定しているとは言いがたいようです。

 そういう訳もあって、仏師を志すひとは、同時に、副住職などの資格を得ようとするようです。
住職の地位にいれば、衣食住は何とか問題なくなるわけですから。

 ただ、そのためには得度する必要があり、そのためには、仏教の学校に行くか、
きちんとした住職の下に師事して、お坊さんとなる資格を得るか、のようです。

 この業界?というのでしょうか、いろいろと世間から離れた不思議なお話が多いですね。
ただ、仏様を彫る仏師のかた、私は初めてリハビリを行っていますので、非常に興味があります。
なかなか話は引き出せませんが(笑)


新興感染症とインフルエンザ

こんばんは。

 私の勤務する通所リハビリテーションでの出来事ですが、
利用者さんご自身ではないのですが、同居する家族、その利用者さんの息子さんのお嫁さんが
インフルエンザに感染後、2日たって熱が下がった時期に、その利用者さんは来所されました。

 本人はアルツハイマー型認知症の方です。その方には何の悪意もありません。
デイケアでは、家族と施設の間に連絡ノートというのが存在します。
自宅での様子や、当日の状態、何かしらのエピソードなどを、来所の前に記入していただくことで、
こちらとしては利用者さんの情報を得ることが出来ます。

 そのノートに、インフルエンザにかかって、現在2日たって熱は下がりました、とお嫁さんが
のんきに書いてあるではありませんか。

 結局その話は送迎時にこちらのスタッフはその内容まで知らないわけで、
その利用者さんは連れて来られてしまいました。
本人が感染しているかどうかはともかく、原則として、私の所属するデイケアでは、
家族(配偶者だけでなく、同居の家族をさします)がインフルエンザに罹患している場合は、
最低1周間は来所を控えていただくようにしています。

 今回、利用者が来所してから、その手帳から事実が判明して、家族に確認してから、こちらがそれに対応
するまでに、約1時間ほど本人はデイケアの空間の中にいました。
あろうことかよく動ける方で、いろいろな他の利用者さんに声をかけたりしていました。

 その後、手帳の内容から事実が判明し、
直ちにその利用者さんを自宅に帰し、(本人は何だか不満そうでした。それはそうです)
残っている利用者さんに対して、手洗い、うがい、マスクを徹底しました。
このような対応は、もうすでに、あとのまつりという感じですが、それでもしないよりはましな感じです。

 今回の場合、同居する家族の認識がかなりあまかったのですが、このようなケースは、
他のデイケアやデイサービスといった施設においても、大いにありうるかと思います。

 集団感染のリスクだけでなく、利用者さん個々人がかなり高齢者です。何らかの感染が
あった場合は、それに対する抵抗力がかなり低いことを、我々は認識しないといけないと思います。

 また、その利用者さんの個別リハビリを私自身も行ってしまいました。

このように、我々セラピストも、感染に関してはこの時期特に注意する必要があります。
万が一感染のリスクが有る場合は、有給休暇を消化してでも休む、という英断が必要です。

 ここで、思い出したのは、エボラ出血熱です。
これは、007_6.gif
いわゆる新興感染症と言われる、現在まさに起こっている感染症の一つです。

エボラ出血熱は、実際には1976年には発生していたものなので、去年、一昨年から出てきたものではないのです。
たしかに、現在かなりニュースを賑わしていることもあり、
また、感染者の7割が亡くなっているという実情もあり、かなり重篤な感染症です。

 ただ、この感染症は、 こうもり が感染源、それを食べたもの、体液に触れたものから広がったものです。
そして、そのこうもりを食べた チンパンジーや ゴリラ も感染し、それと接触した人間にも感染したものです。

 一度人に感染した後は、火葬の習慣がなく、土葬の習慣があった土地であるアフリカにて広がってしまった
ということもありました。実際、このエボラ出血熱は、死んだ方の身体にも残るようです。

 今回の我々の職場との関連で怖いと思ったのは、
エボラ出血熱は、現地の人々の中に、感染したことで差別されることを恐れて、何も症状を言わず、
かえって周りに感染させてしまう、という悪循環があったようです。
 インフルエンザに関しても、意図的であれ、そうでない場合であれ、
本人がその症状を言わないことで、周囲を巻き込んでいく、ということが怖いと思います。

 我々セラピストは、時折この感染リスクに直面し、運が悪い場合は感染してしまうこともあります。
体液や血液、皮膚との摂食にて感染する、ノルウェー疥癬や、C型肝炎などのリスクのほか、
インフルエンザもそうです。
インフルエンザは新興感染症ではありませんが、やはり、飛沫感染という、リスクの高い
感染症です。

 このような感染にかかった場合は、あえて周りとの接触を断つ英断を求められる場合が、
我々にもあるかと思います。 インフルエンザの潜伏期間、こういう知識も大切となります。



上級救急救命 ~ AED すこし付け足し ~

こんばんは。

 先日、市の消防局が開催している上級救急救命講義を受けてきました。8時間ほどの講習です。
以前、昨年の9/3 と 12/27のブログにて、AEDに関してコメントをしましたが、
今回の講習にて、コメントを多少追加したいと思います。

 一般的に、急変した傷病者を救命して、社会復帰させるために必要となる行いを
< 救命の連鎖 > といいますが。それは4つの段階からなっています。

① 心停止の予防
② 早期認識と通報  ~  できるだけ早く119番。 そこで、口頭指導を受けることが出来ます。
                  そして、周りに声掛けをします。 
                  自分が発見者の場合は、「 119番お願いします 」 
                                  「 AEDを持ってきてください 」  です。

③ 一次救命処置   ~ < 心肺蘇生 > < AED の使用 >  < 気道異物除去 >

④ 二次救命処置と心拍再開後の集中治療 ~ これは救急隊の出番です。

この4つの流れのうち、主に②と③が我々の出番です。

救急車を呼んで到着するまで、全国平均で8分ほどかかります。
そして、その間に救命処置を行った場合は、行わなかった場合の  2倍  の救命の可能性があります。
なにもしない場合は、心臓と呼吸が止まってから 8分にて、救命の可能性は 10%ですが、
我々一般庶民が救命処置をすれば 20%を越える救命可能性となります。

そもそも、脳に関して言えば、脳に酸素が運ばれなくなると 15秒 にして意識が低下してしまい、
                                    180秒 にして脳細胞が死んでしまいます。

ですので、1次救命は非常に重要です。
AED_Oimachi_06z1399sv.jpg
このようなボックスからAEDを取り出すとブザーがなりますが、これは、持って行かれた!でなく、
皆さん、近くにこれを必要とする人がいるので集まって手伝ってください、という意味合いだそうです。
AED.jpg
このAED、
心停止した人の心臓を 再び動かすもの ではないのです。
正確には、心臓が細かく震える 心室細動の状態を、 元に戻す 除細動 の機械です。
electroshock.gif
心電図でいうところの、このけいれんのような心臓の動きを改善するものです。

AEDには、2分ごとに、この心電図を読み取る機能がついているので、
この心電図の波が普通の状態ならば、いくらスイッチをオンにしていても、電気ショックの電流は流れません。

よって、この人、呼吸してるのかな?心停止かな?なんだか よくわからないな?うーん??

ってな場合は、とりあえず、電源を入れて、直接、皮膚にパットを貼ってみてください。

必要な人ならば、通電となり、電気ショックを与えてくれますが、大丈夫なら動きません。

ただし、心臓の状態をAEDが読み取っている間に、その人の身体に自分を含めて誰かが触れていた
場合は、正確に心電図が読み取れないので、決してそのあいだは触らないようにしたほうがよいです。

AEDの電圧は1200V ー 2000V 、電流は 30ー50A あります。ただ、
電気の流れる時間は 0.001 秒 ~ 0.001秒 程度です。

ですので、心電図解析中 と 通電の瞬間 だけ、絶対に身体に触れなければ問題ないようです。

ただ、心筋梗塞の際は、相手はかなり汗をかいているらしいので、パットをはる場所は
(細かいことはおいておいて、とりあえず心臓を挟めばよいわけですが)すこし、汗を拭いてあげることが
大切なようです。

人工呼吸は、胸骨圧迫30回に対して、2回です。 例えあまりうまく空気を送り込めなくても、
とりあえず2回試みたら、 胸骨圧迫を再開します。 最優先は あくまで 胸骨圧迫です。

人工呼吸は、自分の息を入れるわけですが、
空気中の酸素量は21%程度、それに対して、 我々の呼気の酸素量は 16-18%くらいはあるのです。
よって、我々の吸い込んだ後の呼気であっても、その人が酸素不足の場合は助かるようです。
482013a.gif35.jpg
その他、三角巾を用いた固定や止血の方法なども教わりましたが、手技に関してはまぁ、
そのうち述べたいと思います。



大腿骨頚部骨折 ~ 脱臼肢位 ~

こんばんは。

 前回に引き続き、本日は脱臼肢位に関してです。
前回述べたように、基本的には手術中にDrの方で、脱臼させるまで人工関節を動かすので、
それの結果は手術記録に記載されています。
また、①臼蓋の傾斜角(30-50度が安全)
    ②大腿骨の前捻角(15度くらいが安全)
    ③筋力低下 (手術の進入方向をチェック 下は後方と側方)
riumachi_illust13.gif

    ④脱臼肢位
この4つがポイントということも述べました。

 ただ、だいたいの目安としては、
股関節屈曲位  → 外旋50度まで  内旋20度まで

股関節伸展位  → 外旋30度まで  内旋は屈曲位よりも可動域アップ

dr70_img11.gif
イメージとしては、こんな感じです。
また、術後3か月までが、股関節周囲の筋肉や軟部組織の修復が不十分なため、もっともリスクが高いと
されています。

人工関節となった場合は、目標とする可動域は、屈曲100度 外転30度 ですが、
外転位でない場合は、90度くらいをめどにしたほうが良いかと思います。

さて、脱臼は、実際には、資料によっても異なりますが、
 後方進入の手術 → 3-6%
 前方進入の手術 → 0.4%以下
などと書いてあったりします。
まぁ、セラピストとしては、あまり脱臼脱臼とさわがず、それほど可能性は高くないことを利用者さんや
患者さんに教えてあげた方が相手は安心しますね。
ま、術前の医師の役目でもありますが。。

 とりあえず我々が指導する場合は、

 後方進入の場合 → 屈曲 + 内転 + 内旋  にて脱臼注意 (これがメイン)

 前方進入の場合 → 伸展 + 外旋 + 内転  にて脱臼注意です。
dakyu.jpg
スケートすきなひと、イナバウアーも危険な姿勢ですよ。

脱臼した時は →  自分で整復しようとしないことです。 救急車よんでください。

さて、では脱臼肢位ですが、、、 (ここでは 後方進入の場合の 屈曲+内転+内旋 のケースです)
img10.jpg08img11.jpg
groin_photo04.jpg
まぁ、このあたりは、いくらでも検索すれば出てくると思いますが、

注意することは、
 ・ 正座はよいが、正座でおじぎはしない  (和式の生活を好むひとは、やはり床上に座りたがります)
 ・ 床上に落ちたものを拾う時は、健側を前に出してしゃがむ (床にものを落とす、こぼすはよくやりますが、
                             とっさに動くため逆をやってしまうひと、います)
 ・ 股関節そのものの動きではなく、体幹の相対的な動きに注意 (トイレでの立ち上がり時の体幹前傾など)
 ・ 柔らかい低めのソファに座らない

私の経験上、このような動作の際、脱臼まではしなくても、痛みや強い違和感が出ることがあります。

転び方や、転んだ時の起き上がり方なども、練習しておいた方が良いかと思います。






大腿骨頚部骨折 ~ 人工股関節全置換術(THA) ~

こんばんは。

 本日は、大腿骨頚部骨折に対する手術についてです。
昔は、人工関節は、10-15年ほどしかもたないとされていました。よって、60歳以上とかでないと、
手術は適応外という時代もあったようですが、最近は、再置換術の技術も大幅に向上しており、
低年齢のひとも手術を受けているようです。
000030_main_add_image1_13.jpg      7THA図

イメージとしては、図のような感じです。
① 骨盤側の臼蓋を人工のものにする
② 大腿骨骨頭側を人工のものにする

適応は、
 ・ 股関節変形症などで、疼痛が強い場合
 ・ 関節破壊のすすんだ慢性関節リウマチなど
 ・ (60歳以上の) 大腿骨頚部骨折 や 偽関節で骨接合が難しい
 ・ 悪性骨腫瘍などで、患肢温存したい場合
などです。

手術がだめな場合は、
 ・ 感染症のリスクが高い (もちろん、人工関節自体には、免疫の機能はありません)
 ・ 高度の肥満
 ・ 内科的なリスク(昨日述べたようなケース)
 ・ 脱臼を繰り返すだろうと思われる認知症 (ただ、保存のほうがさらに危険な場合もあるのですが)
08img08.jpg2A2B.png
人工股関節の場合は、
普通の股関節に比べると、人工なだけに、いくつかのリスクがあります。
まず、この人工物を骨とくっつける場合に、
接着剤(まぁ、セメントといいますが、個人的には、接着剤の方がぴんときますね)

 ①セメントにより固定した場合  (以前はこのタイプが主流で、45年以上の実績あります。)
    セメントの緩みが問題となる場合があります。 ただ、術後10年ほどは極めて良好なようです。
    セメント自体がプラスチックなので、15年ほどで5割ほどが緩んでくるとのことです。
    金属とプラスチックの摩耗の問題

 ②セメントレスの場合  
  3_2.jpg
 接着させず、骨と自然と癒合させます。写真のように、骨に埋め込む部分がザラメになっていて、
時間が経つとそこに自然と骨が絡んでくるイメージです。
 以前は、セメントの方が、早く固まり、すぐにリハビリが開始できるという利点があったようですが、
現在ではこちらが主流のようです。
 以前は術後一週間くらいしてから徐々に荷重可能でしたが、現在はもう少し早くなっている病院も
多いようです。
senmon05-img05.jpgriumachi_illust15.gif
 我々がリハビリにて可動域訓練や、脱臼肢位の指導を行うにあたり、
どのような手術を行ったのかを知ることは重要になります。

 脱臼肢位に関しては、今後また改めて述べますが、
脱臼の原因は

 ① 臼蓋角度
 ② 大腿骨の前捻角角度
 ③ 筋力低下
 ④ 脱臼肢位

です。 ③に絡むのが、上図のように、 どこを切って手術したか、ということです。

お尻の方を切った場合(後外方より進入) → 後方への脱臼が心配されます。

前方より切った場合(図の左側です)    → 前方への脱臼が心配されます。

あとは、手術の記録には、必ず、Drが 前捻角度 やら、 脱臼肢位について、書いています。

例えば、、、、
    Trialにて脱臼肢位は屈曲90度、内転30度、内旋30度であった。 stemを前捻15度に
    うちこんだ。。。などなど

ただ、残念なことに、介護分野では、この手術記録がなかなか回ってきませんね。
この人はどのような手術をうけて、どのような脱臼角度なんだろ、、、なかなか判断難しいです。
この術中の可動域の確認は、我々はぜひ知りたいところです。

 脱臼に関しては、いずれまた。
 

  

大腿骨頚部骨折 ~ 保存と手術 ~

こんばんは。

 本日は、高齢者の4大骨折のうちの1つ、 股関節の骨折について述べたいと思います。
4大というと残りが気になります?が、高齢者の転倒をイメージしてみてください。
だいたい想像通り、 手首 ・ 上腕骨(肩のつけね) ・ 背中(腰) が残りです。

 60代ー70代くらいまでは、転倒するときに手が出るのです。手が出ると、、、手が折れます。
もっと高齢になってくると、転倒するときに手が出なくなり、大腿骨(股関節)が折れます。

 かなり端折った話になりますが、もちろん、年齢だけでなく、
パーキンソン病や脳卒中など、病態によって転倒時の骨折しやすい個所も異なってきますのであしからず。

さて、4大骨折のうちもっとも危険なものが、大腿骨頚部骨折というものです。
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上の図で、よく折れやすいのが (構造上の問題なのですが) Aの部分とBの部分です。

Aの部分を大腿骨頚部骨折  Bの部分を大腿骨転子部骨折 という言い方をします。
(以前は、内側骨折・外側骨折などの言い方もしていましたが、学会では用語を上記に統一
 しつつあるようです。)

Aの部分が骨折してしまうと、大腿骨頭へ栄養を送る動脈も損傷してしまうことが多く、その後、
その骨頭が壊死してしまったりするなど重篤な障害となりやすく、
Bの部分の骨折に比較すると骨がくっつきにくいため、多くの場合は < 手術 > が適応です。
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骨折線がきれいで、整復してそのまま保存を行ったりする場合もあります。
例えば、上の4つの分類(Garden分類)のステージⅠ・Ⅱレベルの場合などです。

た・だ・し、 基本的には、大腿骨近位の骨折の場合は、
手術した方が保存に比較すると < 圧倒的に > 生命予後 ・ 機能予後 ・ 活動性予後が良いことは
証明されています。

 では、どのような場合に保存療法が適応となるかというと、

◎内科的に厳しい場合 
   心疾患,腎不全,肺疾患,血液疾患,悪性腫瘍などのうち、重篤なケース
     この場合は、麻酔自体が適応外となるようです。

○そのほか
    受傷前から歩行もせず、活動性も低く、痛みがなく、骨の転位が少ない場合
    本人や家族が十分なインフォームドコンセントを受けたのち、拒否した場合
      この場合は、認知症の方で、本人があまり活動しない方が多いです。
      不隠があって暴れる人は、かえって骨が転位してしまい、壊死などのリスクがあります。
      また、 お金がかかる という理由も実際のところあります。
     
怖いのは、保存療法の場合は、偽関節という、骨折後、数か月以上たっても
骨がくっつかない状態が続く場合です。これは骨折の合併症の一つです。
この場合は、途中で <手術>をするケースもあるようです。
糖尿病の方なども、なかなか自然にはなおりません。
また、悠長に保存療法をしているうちに、認知症でない人が認知症になってしまうケースもあります。
まぁ、保存はあまりよろしくないのは確かです。
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では、手術に関してですが、折れ方や場所により、さまざまな手法があります。
よく、臨床の現場では、

◎観血的整復固定術といわれる手術があります。  略して 観整固(かんせいこ)とか、
  ORIF(open reduction and internal fixation ) という場合、多いです。

 つまり、 皮膚を切開して → 骨を固定する  手術を大きくさします。
 
 もちろん股関節だけではなく、いろいろな骨折に対して用います。

○経皮的ピニング  という手術は、股関節にはあまり関係ないのですが、

  皮膚は開かず、鋼を骨にさして、固定します。 皮膚は突き刺されますが、これは
  上のORIFに分類されません。

◎人工骨頭置換術 ・ 全人工関節置換術
 
  これも、よく聞く手術です。ただ、これも、皮膚は開くのですが、骨の固定はしません。
  置換 です。
  なので、ORIFではありません。
  ちなみに、 人工骨頭置換術(BHA) と 全人工関節置換術(THA) も違います。
  大腿骨だけの置換でなく、臼蓋まで人工ものに変えるかどうか、これで違うのです。
  面倒ですね、分類。

まぁ、屁理屈ぽいですが、意外とこのORIFやらTHAやらという表現は、リハビリに対して、
ドクターからの情報提供書などでざくっとかかれています。

 手術については、また次回、詳細に書いていきます。たぶん。
 ただ、最後に、手術で用いる 留め具について述べます。
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上の図のように、
骨のどの部分で固定するかによって、ピン (スクリュー)の種類が違います。
骨は、 皮質骨 ‐ 海綿骨 ‐ 皮質骨 と部位により特徴があります。堅いのは皮質部分です。

皮質部での固定をねらうなら、細いスクリューを、 海綿骨での固定をねらうなら、太めのスクリューを使います。
(上の写真は、細いほうなので、皮質での固定をねらったものでしょう)

まぁ、この知識はリハビリにおいては、あまり役にたった覚えはないですが、レントゲンをみると、
どのような金具を使っているか、気になるところですので。 


 

両国国技館

こんばんは。

 本日の利用者さんは、脊髄小脳変性症にて15年ほど闘病生活をつづけている女性、
Yさんのお話しです。

 このYさんのご主人は、某有名菓子メーカーの会長でもあるため、中流階級以上の生活を
しています。
よって、車椅子生活になってからも、家族の運転する車に乗り、週に2回は銀座や日本橋に
お出かけをし、また、よく歌舞伎や舞台を見に行っているようです。

 先週の日曜日に、Yさんは家族と共に両国国技館に行ってきたようです。
ます席というのは、
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約1.5M 四方の狭いスペースに、座布団4枚おいてあり、かなり狭い感じがするのですが、
最近はようやくバリアフリー化されてきており、
一部の席において、車椅子での観戦もできるようになっているようです。
Yさんは、歩ける時代に行って以来、本当に久しぶりに観戦に行けたことをよろこんでいました。
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銀座の歌舞伎座も、建て替えが終わってからは、かなりバリアフリー化されたようですが、
両国国技館は少し遅れていたとのことでした。

 さて、Yさんが観戦した際は、ちょうど天皇陛下夫妻も観戦に来ていたということでした。
到着20分くらい前に、黒服のスーツをきた護衛が会場の至る所に立っており、
また、アナウンスでは、普段では 金星の際には 座布団が舞うこともあるのでしょうが、
 ’座布団を投げないでください’ とのアナウンスがあったそうです。

ちょうどこの日、私は別の方の訪問リハビリの最中にも、
以前、ダイアナ妃が国技館で観戦をしていた時に居合わせたようで、
ダイアナ妃は武蔵丸のファンだったとのこと、
そして、その利用者さんが、トイレに行くふりをしてダイアナ妃に近づこうとすると、警備員に見つかり、
トイレまで一緒についてこられた、との笑い話を聞いたばかりでした。

よって、本日は何となく 相撲 が私の中のテーマになっています(笑)

さて、このます席ですが、前列の方は、多くは企業が年間契約をしており、
かなりのお金を払って、接待などに用いているようです。
当然、そのます席での飲み食いや、おみやげなども、全て含めての契約らしく、
国技館のます席を持っている事自体が、ある意味企業のステータスとも言えるとのことでした。

ちなみに、おみやげというのは、
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このようなタイプを基準としていろいろなグレードがあるようです。。

私自身は、両国国技館は行ったことはないですが、このような日本文化を受け継ぐ会場が、
よりバリアフリー化されていくことは、今後大切なことだと考えています。

車社会について

こんばんは。

 本日私が、訪問リハビリのために車を運転していると、ある交差点で、高齢者らしき男性が運転
している乗用車が、交差点の真ん中で、堂々と車を切り返し、切り返し、Uターンをしていきました。
私は急ブレーキを踏み、何事かと見ておりましたら、
その車は何の躊躇もなく、どうどうと切り返しています。
 私は、仕事中はよっぽどのことでない限り、ぎりぎりまでクラクションを鳴らさないようにしていますが、
今回もかなりこの危険な行為に、鳴らそうかどうか悩みました。
 車の運転席はかなり高齢と見られる老人の姿がありました。

 私の訪問リハビリを行っている地域は、周りの市よりも高齢化率がかなり高めの市です。
よって、このような危険な方向転換に出くわすのは2度目になります。なので、周りの車は
かなりあっけにとられていましたが、私は、あり得る、という認識がありました。

 先日の新聞記事に、交通事故を起こす恐れのある高齢者に対して、どのような対策をするか、
というテーマの記事がありました。

 自分から進んで、免許の返納を行うかたもいるかと思いますが、一方で、
地方の高齢者は、車が足代わりにもなっており、また、若い夫婦の子供の送り迎えなどの役割を
高齢者が担っているという現状もあります。
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上図では、交通事故の死亡者数は、トータルとしては減少傾向にありますが、一方で
75歳以上の高齢者による死亡事故の割合は年々増加しています。
2013年の統計にて、12%を占めています。

つまり、現状の認知機能検査は、不十分、だということになります。
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上のグラフは少し見にくいですが、
これにより、H24年の交通事故による死亡者のうち、65歳以上の占める割合は
50%を超えていることがわかります。

つまり、 
① 運転して死亡事故を起こす加害者となる
② 交通事故による死亡という被害者となる

この2パターンともに、やはり高齢者が多くを占めていることが分かります。
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現行の検査では、認知機能の検査は3分類され、
< 免許の更新の際 > に、そのうち、結果が悪かった人(1分類)で、

かつ、 < 特定の違反のあった場合のみ >  医師の診断が必要とされます。

そして、それ以外の2分類・3分類の人に関しては、 3年後 に ようやく 再検査をするようです。
ちなみに2分類 = 記憶力・判断力は少し低いが、免許停止・取り消しの対象にはならない です。

しかし、これでは、1分類のひとや、1分類となりうる予備軍の変化に
対応できないことに警察庁も気がついたようです。

今後は、免許更新の際だけでなく、 特定の交通違反をしてしまった場合にも、認知機能検査を
義務付けるというものです。
また、1分類のひとに関しては、 特定の違反がなくても、 医師の診断が必要となり、
認知症の場合は免許の停止・取り消しとなります。

 まぁ、上の認知症の分類に関しても、
①心配ない ②低下のおそれ ③認知症の恐れ
この分類の定義がどの程度のものであるか、怪しいものです。

 いずれにしても、今後、仕事において車を運転する我々セラピストにとって、
高齢者の運転に関しては、新聞記事以上の関心があります。

 運転中の事故は、自分が起こすことも、巻き込まれることも避けたいですね。
事故に絡む相手が認知症の高齢者であるケースは、ざっと私の周りのデイケア・訪問リハビリの
仕事上での事故を考えるだけでも、すでに5件ほどあります。

 認知症の方が絡む事故は、なかなか事後処理も大変となります。お互いに気をつけましょう。




フレイル?

こんばんは。

 本日は、日本老年医学会という、社団法人が名づけた、この < フレイル > という言葉
について述べたいと思います。
 この日本老年医学会というのは、1959年に発足後、1995年に文部科学省の認可を経て、
老年医学に関してさまざまな情報を発信しているようです。

 日本老年医学会に対して、アメリカ老年医学会という団体も存在し、老年医学という分野は
アメリカではかなり以前から体系づけられた学問として成り立っているようです。

 さて、本題です、このフレイル、何かといいますと、語源的には 英語の Frailty となります。

< もろさ はかなさ 弱さ  / 短所 過失 弱点 > などの意味があります。

日本老年医学会としては、 このフレイルという用語を 

< 筋力や活動が低下している状態 > <虚弱> と定義しました。

言い換えると、
 健康 と 病気の 中間的な段階 という意味にあたるとし、
要介護状態になる前の段階と位置づけました。

 75歳以上の高齢者の多くは、この段階を経て要介護状態になるというわけです。

フレイル は、米国老年医学会の定義では、

① 体重が減少 (1年で 4-5 kg減少)
② 歩行速度が低下
③ 握力が低下 (筋力が低下)
④ 疲れやすくなった
⑤ 身体の活動性の低下

この5つのうち、3つが当てはまるかどうか、という点でこの段階を定義しています。

加齢に伴う機能低下を指す用語として、 サルコペニア という用語も使われていますが、

サルコペニアが筋肉量減少を主体として筋力・身体機能の低下を主要因として扱うのに対し、

フレイル(虚弱)には移動能力・筋力・バランス・運動処理能力・認知機能・栄養状態・持久力・
日常生活の活動性・疲労感など広範な要素が含まれている点が大きな違いだということです。

そして、このフレイル(Frailty)の概念には、しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという
可逆性が含まれているのも大きなポイントです。

高齢者の 虚弱 状態は、不可逆でなく、 可逆だ というのが、このフレイルの状態です。

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上図にあるように、
介護保険でいうところの、 要支援までいかない人々、を指すとも言えます。

医療や介護の分野で、このフレイルという用語、まだまだ浸透しているとは思えません。
上の5つの項目に関して、日本ではさらに認知面などを追加して、新しい評価法を検討中だということです。

 さて、このフレイルを予防・解消するために、
① たんぱく質 ・ ミネラル ・ビタミンを含む食事をとる
② ストレッチ・ウォーキングを定期的に行う
③ 身体の活動量・認知機能を定期的にチェック
④ 感染の予防 (ワクチン接種を行う)
⑤ 手術の後は、栄養や < リハビリ > など適切なケアを行う
⑥ 内服薬が多い (6種類) 場合は主治医と相談する

などがあげられています。
ここで、⑤のリハビリが我々セラピスト絡んでくるところです。
まぁ、病院での手術の後、リハビリを全くしないようなケースはないように思いますが、
リハビリを早めに行うことで、要支援や要介護状態になるのを未然に防ぐという
考え方には賛成です。

 いずれにしても、このフレイルという用語の提唱については、増大を続け8兆円を越える
介護や予防での費用に対して、その抑制をねらいとしている政策も絡んできます。

 フレイル、、、響きとしては、非常にとっつきにくい、というか覚えにくい気がするのですが、、
私だけでしょうか。。昨年6月に各社新聞等にて大きく取り上げられましたが、どのくらいの
医療・介護従事者がピンときているでしょうか。。。

浮腫への弾性ストッキング対応

こんばんは。

 本日は、がん治療の影響によりリンパ節を切除や放射線治療をするなどして、
リンパ浮腫を生じた利用者さんに対するアプローチに関して述べたいと思います。

もちろん、<浮腫>というのは症状の一つですので、その原因は多様にあります。
心疾患・腎機能低下・廃用症候群などあげればきりはないのですが、
リンパ浮腫に限って言えば、やはり2-3割はがんとの関わりが外せません。
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上のような上肢のむくみは、乳がん治療直後の場合もあれば、10年ほど経過した後に発症する場合も
あるようです。
実際には我々セラピストは、術後に関わることが多いかと思います。

 今回は、運動療法ではなく弾性ストッキングに関して述べます。

リンパ浮腫に対しては、理想としては、リンパドレナージュによってむくみを一度
抑えた後に、その状態を維持していくことなのですが、なかなかそれは難しいのです。
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基本的には、その人の腕の状態にあった対応を行うためには、
上肢の長さ、圧力の適正、皮膚の状態、などを考えると既製品ではなかなか難しく、
我々は上図のように、

 ① 柔らかい皮膚の保護もかねて、柔らかめのガーゼを軽めに巻き上げる
 ② ドレナージュ効果を増幅させるために、スポンジ(ギプス用綿包帯)にて覆う
 ③ 弾性包帯を用いて、圧をかけながらしっかりと巻き上げていく

こうして毎日毎日その人にとってちょうど良いと思われるケアができれば理想です。
ただ、これは私自身の経験もありますが、腕にしろ脚にしろ、
相手にやってもらう分にはおまかせしまーすで済みますが、自分でやるのはかなりの経験が
必要です。自分ではとても毎日しっかりと巻こうという気にはならないかと思います。
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 そこで、上のように、既製の弾性ストッキングが活躍します。
筒型のタイプですが、筒の形は前後同じではなく、腕に使用するものであったり、大腿部、足部、手部に
使用するものであったりと、いろいろと使い分けができるような商品が出ています。
商品名としてはさまざまですが、上肢でいえば
(アーム)スリーブ メディカル弾性スリーブ 医療用弾性ストッキング などの言い方でいろいろな
商品が出てきます。

 既製品の場合は、圧迫の筒状ですので手首部の圧迫圧が、例えば20ー30mmHgなどの目安も
書いてあります。
 圧迫を強くかけたい場合は、そのスリーブを一度折り返して重ねることもできるようです。
オーダーメイドの弾性ストッキングを販売しているメーカーもありました。

いずれにしても、利用者さんは個人では判断できない部分が多いかと思います。
一方で、毎日行うため、弾性包帯による圧迫をセルフケアしていくこともなかなか大変です。
(もちろん、専門のセラピストによる指導は受けられるかと思いますが)
このような場合は、上記のようなストッキングをおすすめします。
ただ、医師の指示で、というよりは、現場をよく見ているリハビリや看護師などの判断によるものが
多いかと思います。

 圧迫を行った後の運動療法に関しては、またいずれ述べたいと思います。




南米生まれのガキ大将

こんにちは。

 本日のお話は、難病の<結節性動脈周囲炎>を罹患されている男性、Oさん88歳のお話です。

この結節性動脈周囲炎とは、血管の動脈の壁に炎症を生じ、その動脈の流れにのって臓器にも
多彩な症状を発生してしまう病気です。
発症年齢は40-60歳程度で、3:1にて男性に多いようですが、
全国で250人程度の患者数です。

 症状としては、いろいろなのですが、
高熱・体重減少・筋や関節の痛み・四肢のしびれ・皮膚の潰瘍・腎機能悪化・脳出血・脳梗塞・高血圧
などなどです。
 非常に予後の悪い病気だそうですが、現在Oさんは、車椅子での移動から、杖を使用した
介助歩行ができるほどに回復してきています。
ただ、この回復が一時的なものなのかどうか、不明なところではあります。

Oさんは、両親は日本人ですが、南米の生まれのようです。
母国語がスペイン語だったとのことですので、
本人は認知面の低下もあり定かではないですが、チリやアルゼンチンあたりでしょうか。
コーヒーは飲んだり見たりしたことないと言っていたのでブラジルではなさそうです。

戦争前にすでに両親が南米にわたっており、そこで農園(プランテーション)を行って、
野菜やバナナを作っていたとの記憶があるようですが、
そこで両親ともなくし、小学生の半ばくらいから日本に来たようです。

 船で2か月以上かかったことは覚えているとのことでした。
まぁ、南米までは、現在でも飛行機で24時間かかるわけですから、
長い時間をかけて輸送船に乗っていったというお話は信用できそうです。

 本人曰く、その時まで日本語は話したことがなかったし、両親も家庭で話さなかったとのことです。
その後、小田原の親族のもとで小学校生活を送ったようです。

 言葉がわからないまま小学校に入り、そこで対応できるというのはすごいと思いますが、
Oさん自身も、いじめられたりからかわれたりした記憶はないようです。
逆に、小学生の高学年になる頃には、ガキ大将になっていたとのことでした。

 本人は、ガキ大将という認識はなかったようですが、同窓会の席で、同級生にそのような
話をされて、ようやく認識したとのことでした。

 Oさんのすごいところは、ここで、現在のいじめの問題に話をすすめたところです。
’ガキ大将’という存在があった頃は、いじめはほとんどなかった、とOさんは言います。
今はあまりそのような存在の人がいないので、かえっていじめが流行っているのではないか、と。

 Oさんは、体はあまり大きくなかったようですが、腕っぷしが強かったのと、弱いものいじめは
自分も、周りにも決してさせなかった、というタイプだったようです。なかなかの男前です。

 そういえば、以前よく聞いた、学校の番格やら番長やらという言葉は、聞かなくなりました。
いじめの一つの側面であろう点を、認知症もあるOさんがさらっとついているところが何となく痛快な気分に
なりましたので、載せてみました。
 そう考えると、ガキ大将、という言葉、今は死後なのかもしれませんが、
なかなか頼もしい響きですね。ガキ大将らしく、難病とやりあってほしいと思います。

呼吸リハ ~ 呼吸音 ~

こんばんは。

 本日は、呼吸の音に関してです。

これにより、肺に起こっている状態、 つまり、気道の状態や、換気の状態を ある程度 把握できます。
つまり、痰がつまっているかどうか、気道が閉塞したり狭窄したりしていないか、などです。

良い点としては、 リアルタイム に把握できることでしょうか。

基本的には、気道内に空気が入ることで、乱気流のようなものが生じることで、呼吸音が聞こえるわけです。

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上記が肺の構造になります。
肺は左右に2つあり、それぞれの尖った上部は肺尖、下面は肺底と呼ばれてます。
左右対称ではないのが特徴でしょうか。
右肺は上から順に上葉・中葉・下葉からなり、左肺はやや小さく上葉・下葉からなる形です。
この5つを大葉といいます。
左に中葉がないのは、まぁ、心臓のあるせいです。
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上図は、呼吸の聴診の際に大体どのあたりを聞けば、どこの呼吸音を聞いていることになるか
を表しています。
① 左では赤、 右では水色の部分が、気管の呼吸音を表します。

ここでは、  吸気の音 < 呼気の音 となり、 吸気と呼気の間に小休止があります。

やや高めの音がします。

② 左の青、右の黄色のあたりは、 気管支~肺胞の 呼吸音となります。

ここでは、 吸気の音 > 呼気の音 となります。 小休止はよくわかりません。

③ 左の水色 、 右の赤 あたりは、上葉から下葉までの肺胞の 呼吸音です。

ここでは、 吸気 : 呼気  = 1 : 2 くらいで聞こえ、 低い音となります。
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呼吸音は、上図のように、ハシゴ状に聞いていきます。

 基本的には、 
・呼吸の音の大きさについて
・左右差について
・異常の有無について 
チェックします。

 異常音に関しても、以下の点に注意します。
・どの場所が異常音となっているか
・吸気?呼気?   また、 吸気または呼気の 前半?後半?
・どんな音?
・どんな姿勢?
・咳をさせると変わる?

などです。

 我々セラピストのレベルで判断するのは、基本的にはこの異常音のうちの特定のものと、
左右差の有無くらいでしょうか。。。病気の診断は医者任せです。もちろん。

この異常音のことを、副雑音、ラ音といういいかたをしますが、カルテじょうでは、肺雑音あり、とか
書いたりします。おおまかな書き方ですが、リハビリレベルではそれが限度だと思います。

その副雑音を分けると、
<連続性ラ音>  主に 呼気 です。
 
 ・ いびき様の音  (ボーボー)  低い音
             比較的太い気道 ( 咽頭から気管支あたりまで)
             に狭窄や貯留物(痰などです)があることがあります。
 ・ 笛声音(てきせい) (ヒューヒュー) 高い音
             比較的細い気管支の狭窄 
<断続性ラ音>  主に 吸気 です。
 ・ 水疱音       (プツプツ) 粗い大きな音
              慢性気管支炎や肺水腫で聞かれます
 ・ 捻髪音(ねんぱつ)(バリバリ) 
              肺線維症などで聞かれます
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 まぁ、細かいことはおいておいて、この、呼気の際の音に我々は注目し、
排痰のための試みを行うことがあります。

 それが、排痰法と言われるもので、 
姿勢によるアプローチ 、 徒手的な理学療法によるアプローチ  、 自主トレ を行います。

基本的には臥位でのアプローチ、利用者さんの体調が良い場合は
何とか座位でのアプローチとなることがほとんどです。

そのような話は、またいずれしたいと思います。

ちなみに、 上記の ラ音 とは、 ラッセル の略で、ドイツ語由来です。
カタカタ・ガラガラといった雑音 という意味です。

呼吸リハ ~ 聴診器 ~

こんばんは。

 本日は、昨日に引き続き、呼吸リハビリの実践前の、小道具、聴診器に関してコメントです。
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聴診器は、
図のように、ダイヤフラム面のみを用いるタイプ (シングルタイプ) と、
ダイヤフラム面とベル面の2面を併せ持つタイプ (ダブルタイプ) とに分かれます。

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このベル面は、平らなものや、対象が小さなものの音を聞きます。

 本来ベル面は心音・心雑音・血管音などの低音を聞くのに適していますが、医療でつかう以外にも、
排水管の音やパソコンなどの精密機械の調整、マンションの防音の確認など、
使用方法は多岐にわたります。穴が開いているのは、そこにて小さな音を集積するためです。
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 一方で ダイヤフラムと呼ばれるのは振動板の膜のことで、これは、糸電話で言うと、耳の対面に張られた
紙に相当します。
ここでは、心臓や肺、お腹の音等の身体の広い範囲を聞く場合やに使用します。
また、水銀タイプの血圧計を使用する場合に用います。

つまり、呼吸リハビリの際に、気道、肺などの音を聞くのも、基本的にはこちらの面を使用します。

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イヤーピースは、我々の耳の外耳道の斜めの空洞に即して作られており、若干ゆがんでいると勘違いします。
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ダブルタイプのものだと、シャフト部分は180度回転するので、これにより、どちらを聞くかを決めます。

さて、これらの聴診器についての知識は、知っている人にとっては、そんなの常識、となりますが、
慌てている時などに、ダブルタイプのもので聞こうとしても、シャフトがきちんと合っていなかったり、
また、デイケアなどでは、周りがにぎやかであるために、なかなか血圧が測定できない場合があります。
特にデイケアでは、基本は介護士が電動血圧計にて測定するのですが、
人によっては脈が弱かったり、左右の上腕での血圧差が大きい場合など、
水銀計にて測り直す場合があります。そういう場合は、我々セラピストが呼ばれ、測定します。

さて、いよいよこれから、呼吸音を聞く、という話に移ります。
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痰について、聴診器について、の話の後なので、
何だか前置きが長いようですが、これらの前置きは知らない人にとっては非常に重要なことです。

気道(気管支や肺胞までのいわゆる呼吸器の構造を含むとします)にて、
炎症が起こったり、痰がからんだりして
気道が狭くなっていたりすると、この聴診器にて ある程度 は、どの部分にて呼吸状態を悪くしているか、
推測できます。 あくまで ある程度 です。

図のように、聴診器にて、利用者さんの身体の部分の呼気・吸気を見るために、
聴診器をあてるのですが、基本的には

①普段の呼吸音の音を知っておくこと
②左右差を感じること
③呼気なのか、吸気なのか、どのタイミングにてどんな音がするか、判断すること

このあたりが大切になります。
詳細は、またいずれ機会があれば述べたいと思います。





呼吸 ~ 痰について ~

こんばんは。

 本日は、我々も含めて、よく一般的に見られる痰がらみに関して説明したいと思います。

 我々セラピストは、基本的には血圧を測るためだけでなく、 呼吸時の呼吸音を聞くために
聴診器を持つことがあります。
呼吸器に対するアプローチは、呼吸リハビリ、呼吸理学療法という言われ方もありますが、
何だか無理やりに専門職の中にさらに専門性を出そうとしている動きの中でのわけかたであるので、
私個人としては、あまり好きな響きではありません。まぁそんなこと言っていると
協会の人たちはいい顔をしないでしょうが。。
 
 呼吸リハビリというと聞こえは良い、というか、すごいことやっているように聞こえますが、
実際には、呼吸を楽にするための援助をしていくことです。

 徒手的な呼吸訓練だけでなく、
 ・本人や家族への精神面でのケア
 ・排痰方法を家族に説明していく
 ・栄養面や薬剤に関する知識の共有(本人・家族含む)
 ・日常生活動作の工夫
 ・自主トレを中心とした運動療法の指導

などが主になるかと思います。訪問リハビリで接する場合は、本人だけでなく、
家族を巻き込んでアプローチしていくことが多いかと思います。

肺や気管内は目に見えない部分ですので、そこに直接アプローチすることは難しいと思います。
医者ですら、正確な診断や判断は、血液データ、画像やVFなどの装置に依存していきます。
以前は亡くなっていた方であっても、現在は、
人工呼吸器によって何とか生活を保っている方も多いのです。

 さて、余談はさておき、我々が自分たちも含めて、普段悩まされているのが痰がらみです。

この痰に関して、基本的なことを抑えたいと思います。

 痰は、 風邪や呼吸器疾患の人だけでなく、正常な人でも出ます。
健康な人であっても、1日 100 ml 程度になります。

 ちなみに、 唾液 となると 1日 1,5L 程度です。

 痰は、 粘膜の一種 と言えます。 
我々が普段の呼吸にて吸い込んだ空気中の チリやホコリ、細菌・ウィルスなどなど、全部を含み、
糖蛋白や免疫グロブリン、脂質を含む  ゲル状の < 水 > です。

 つまり、呼吸器に入り込んだ 異物 を排出するための役割をしているのです。

 多くの人は、この100ml を 気が付かないうちに 飲み込んでいます。
唾液と一緒に飲んでいるので、あまり気が付きません。
そして、胃液によって、完全に消毒されていくのです。

 調子が悪い場合は、 100ml ではきかないため、 気がついてしまいます。
そして、排出するために、この気道内の異物を 咳を することで外に出します。

 よって、 痰 と 咳 はセットで認識する必要があるのです。

呼吸器の障害の方に対するリハビリの際に、意識的に咳をさせることがあります。

これは、 排痰法や、運動時、または たまたま ある程度の量となった痰が 排出できそうな場合に、
痰を 外へ吐き出すことを補助するために、わざと咳をさせるのです。

 咳をするということは、それに伴いいろいろな筋活動が生じるため、結構疲れます。
呼吸器の障害のある利用者さんは、 普段の呼吸を努力して行っている場合が多いため、
痰を処理する時に努力をすると、疲れるのです。
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 この痰ですが、
体質もあるようですが、基本的にはタバコや環境の要因、そして、
肺炎・気管支炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの病気が原因となる場合がおおいのです。
また、脳卒中の後遺症にて寝たきりの利用者さんなどで、普段から口をあけて口呼吸を
している利用者さんなどは、直接気道の粘膜に空気中のホコリや菌が付着しやすいため、
痰が多い方もいらっしゃいます。

 この痰がからんだ咳を、 湿性咳嗽 と呼びます。 

気道の炎症、気管支喘息、気管支炎、肺炎などの症状から出ることが多いです。

 痰がからまない咳を   乾性咳嗽 と呼び、 空咳 とも言いますが、

上気道の炎症、気管支喘息、気管支炎、気管支拡張症、百日咳などの症状から出ます。
一時的に、急に起こる咳は、こちらが多いのかと思います。

痰の 粘性 や  痰の 色 も、 症状を得るためにヒントとなります。

 白色~黄色  :  一般的な痰 細菌の存在や、細胞成分からなります

 緑色      :  緑膿菌や蓄膿症などの時に見られます

 血痰が出ている場合  : 上気道の炎症や損傷、気管支拡張症や気管支炎、
                  肺炎や肺結核から肺癌など、様々な原因が考えられます
  血痰の中でも以下のように分けられたりもします。
  →  ピンク色   : 肺うっ血 や 心不全
     鮮やかな赤 : 肺結核・肺がん・気管支拡張症

 いずれにしても、長く咳が続くと、気道の粘膜が傷つくことがあり、そのために血性の痰が
でることも多いので、簡単に判断はできませんが、上記のイメージをもっていることは大切です。

いずれにしても、 排痰法について、のコメントや、
呼吸リハビリテーションについてのコメントをする前に、

痰とは何なのか?咳ってなぜ出るのか? 

っていう認識も大事かな、と思って述べてみました。 
 


 

介護報酬引き下げについて

おはようございます。
 
 本日の報道で、介護報酬引き下げ率が 2.27% という具体的な数字が出ていました。
11日に正式決定のようですが。

 9年ぶりの減額、過去最大の下げ幅2.4%まではいかない、 とかマスコミでは主張
されていますが、、、実際の現場で働いているスタッフからすると、
3年に一度の改訂ごとに、診療報酬も手取りの給料も右肩下がりのような気がしてなりません。

 1/5あたりの新聞紙面では、特別養護老人ホーム(特養)の半数が職員定数に満たない、
とありました。
 国の基準では、利用者さん3人に対して、介護職員は1人必要となりますが、
私が訪問リハビリ(自費にて行っています)で行っている特養の現場では、
表向きはともかく、実際には利用者10人を1人がみている状態で、
利用者さんはデイルームにいるのに、スタッフの姿は見えないような場面によく遭遇しています。

 景気が上向き、他の職種の雇用や給料が増えている一方で、介護職員の平均月給は
2013年までで、約22万円、 東京都の介護職の求人倍率は4.4倍にも達します。
つまり、応募すれば職にはすぐにつけるわけですが、人が寄り付かないのです。

 さて一方では、特養は平均して1施設あたり3億円以上の内部留保があります。
つまり、かなりお金を溜め込んでいるのです。
これは、社会福祉法人 というのが、 法人税がかからないため、その名目のもとに
お金儲けをしている結果です。

 特養の収支差率 (つまり 利益率 と考えてください) は 2013年で、 8.7%です。

普通の中小企業の収支差率 は 2.2% しかないのに、 これは儲け過ぎでしょう、

という印象を与えてしまい、結果、介護報酬の引き下げにつながっている面もあります。
実際に、デイサービスも10%近い数字の利益率になります。

 最近いたるところにデイサービスが乱立し、職員の募集が見られますが、
作れば儲かるなら作るわけです。

 おかげで、そこまで利益率が高くない デイケア や 訪問リハビリなどのサービスが
充実しなくなっています。

 このような問題はあるにせよ、
若者が、今後介護業界で働いて、その給料にて家族を作り養い、
という気持ちになれるかというと、現場は決して順調ではありません。

 今ですら人手不足です。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年までには、いったいどうなることでしょう。
 
 介護業界の経営者は、お金を内部留保せず、もっと人件費にあててください。
ま、これが言いたかっただけですが。。。


難病の定義と 特定疾患受給者証

こんばんは。

 ご自身が難病を抱えている利用者さんやその家族の方は、もうとっくにご存知だと思いますが、

H27年1月より、

 < 難病の患者に対する医療等に関する法律 >

という何だか長ったらしい題名の法律が施行されます。

これは、何かというと、

① 難病の指定疾患 を 増やす (56 → 約300 (とりあえず1月では110 ) )

② 現行の 特定疾患医療受給者証 を 変更する ( 指定難病受給者証 の交付)

③ 自己負担割合    3割  →  2割  (安くなる と思ったら大間違いです)

④ 入院・外来にて自己負担金の上限の区別あり  → 入院・外来の区別なし

⑤ 訪問看護・訪問リハビリの負担  自己負担なし → 自己負担あり

   ( 複数の医療機関等を受診した場合は、自己負担を全て合算した上で
    自己負担限度額が適用されます。
     薬局での保険調剤や訪問看護ステーション・訪問リハビリテーション等の自己負担も全て合算します。)

⑥ 重症患者は  自己負担なし 入院時の食費・生活療養に係る費用は免除 → すべて自己負担あり

難病の指定が増えること自体はありがたい人もいるかと思いますが、
現在まで 自己負担金 を少額にて払って済んでいた方にとっては、 確実に負担増となります。
難病の幅を広げ、多くの人に負担をしてもらう、 という方針が 、そのまま法律になりました。

 これに伴い、 現在、訪問リハビリにおいても、 受給者証 を再度 利用者さんに提出してもらっています。
また、
 今までは、複数の医療機関を受診していても、 そのうち1つの病院にのみ自己負担金を支払い、
それを越える分は、償還払いにて戻ってきていました。

 それが、今月から、受診や薬を貰った日にちの早い方の機関に、自己負担金の上限の達するまで
お金を払い、それが上限に達したら払わない、という仕組みにかわりました。

 これがヒッジョーに面倒な制度です。

つまり、自己負担金が20000円の人の場合は、

1/5  に A 病院で    10000 円
1/7  に B 病院で     5000 円
1/9  に C 薬局で     5000 円
1/10 に 訪問リハビリで   600 円
1/20 に A 病院で    10000 円

という1月の支払いは、

 今までは、 一度それぞれの病院にて全ての金額 36000 円を支払い、後は役所に申請して
16000円が戻ってくる  となっていたのが、

 今月より、 1/9 までは それぞれの 病院に支払う(10000円 5000円 5000円 )
その後はどこの病院にも、薬局にも、訪問リハビリにも支払わない

 というふうになります。

そうなると、 月の早い段階にて受診した場合のみ支払いが生じるのです。

上記の例でいうと、 A 病院の レセプトは大変です。 
1/5  の 10000円はもらうが、
1/10 の 10000円はもらえない。 月末の 調整が効かない、ということになります。

訪問リハビリなどは、1回40分とすると、 600円台の料金にて実施しているため、
数字的にも細かくなり、また、毎週 行っていることが多いため、 どの日まで請求していいのか、
どの日から請求できなくなるのか、、、そういった計算が非常に面倒になります。

 私の事業所では、自分たちの実施した訪問リハビリのレセプトも自分たちで処理しているため、
ヒッジョーに面倒です。。はい。

 今後、特定疾患に対する医療的な介入に関しては、利用者さんがしっかりと日付や料金を把握して
おく必要があるのも確かです。

 しかも、医療費助成の対象となるのが、 <指定>医療機関 に限定される ときました。
もう何が何やらです。
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 ***************:

ところで、 そもそも 難病 とはどういう定義なのか、 あらためて調べてみました。
 
 難病とは

    ・ 発病の機構が明らかでなく
    ・ 治療方法が確立していない
    ・ 希少な疾患
    ・ 長期の療養を必要とする

 です。 患者数などの規定はしていません。

それが、 今回の適応となる  <指定>難病 とは、  難病のうち、

    ・  難病のうち、日本において一定の人数に達しないこと ( 人口の0.1%程度以下)
    ・  客観的な診断基準 が確立していること

この条件が加わるのです。 

  今回の法律において、

 受給者数は、 78万人 (H23年度 ) → 150 万人 (H27年度予測) に増えます。

 そのため、 < 平均 > すると 平均負担額は 4800円 → 3200 円 と減ります。

 ただし、 現状、現在すでに自己負担金を払っている人にとっては、
                      平均負担額  1300円 → 2900 円 と倍以上の負担増になります。

 このへんが、現在すでに負担している世帯にとっての受け止め方の難しい点です。

 訪問リハビリにおいても、このような現状を相手に説明する必要があり、非常に難しいと感じています。




腰痛の診断 ~ 腰椎椎間板ヘルニア ~

こんばんは。

 本日は、腰痛をテーマにしたいと思います。
腰痛というのは、非常に著名な症状であるので、その診断基準や、症状に関しては、
いろいろな情報が飛び交っています。

 まぁ、人類の8割以上が、一生に一度は経験すると言われているくらいですので、
がん経験者2人に1人以上の割合です。誰もが通る道と考えてよいでしょう。

 さて、その中で、腰椎ヘルニアに関して、少しだけ述べます。
このヘルニアに関しても、述べていけばきりがないくらい、いろいろなお話しが転がっています。

 この ’ヘルニア’ という言葉、 もとは ラテン語の意味で、 ’飛び出す’ ’突き出る’
という意味です。herniation という英語表記でもでも、病院においてはよくカルテで目にします。
鼠径ヘルニア・椎間板ヘルニア・バセドウ病の眼球が飛び出しているような目もヘルニア
という表現をします。
 
 さて、このヘルニアのうち、腰椎椎間板ヘルニアに関して説明します。
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左の図では、図の下が身体の前方です。
右の写真では、図の左が身体の前方です。
左の図の髄核、と呼ばれる部分は、腰椎と腰椎の骨の間にある軟骨である椎間板という組織の中核を
なす部分です。
その部分が、普段は椎体(まぁ、骨です)と椎体の間のクッションの役割をしているのですが、
その重さに耐えられなくなり、髄核が飛び出してしまい、その髄核の一部が神経を圧迫して、

下肢にさまざまな神経症状(痛み・しびれ・下肢の鈍重感・歩行時のだるさや疲労などなど)
を生じさせてしますのです。 腰痛もその症状の一つです。
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このヘルニアの診断をするには、
上図のように、利用者さんに、前屈や後屈、側屈などをさせて、症状をみたり、
臥位にてSLR(膝を伸ばして股関節を屈曲させる)を行わせて、35度~70度程度の間に症状が出るかどうか
をみます。

その症状と同時に、MRIと呼ばれる骨や軟骨の状態を実際に測定する装置において、確定診断とします。

まぁ、MRIは病院におまかせなので、我々セラピストは、
①筋や筋膜からくる腰の痛みなのか
②神経症状をともなう骨や軟骨の影響からくる痛みなのか
を判断し、
その後、筋や筋膜の痛み(ぎっくり腰もこのたぐいです)でないのであれば、

①腰椎椎間板ヘルニアなのか、
②それ以外のすべり症などの症状なのか、

などを推測していきます。

そのために、前屈させたり、後屈させたり、側屈させたりして状態をみます。
脊椎高位決定のためのランドマーク
この時、
ヤコビー線とよばれる、左右の腸骨のラインを結んだラインを、ランドマーク(めじるし)
とします。

 このヤコビー線は、だいたいにおいて、第4腰椎棘突起を示し、それを基準に、第4、第5腰椎の場所を
把握します。

 この腰椎の4番・5番あたりは、2足歩行の我々人類の宿命でもありますが、最も身体の上半身の
重さを支える部分となります。
そのため、重力も含め、かなりの重さを常に支えている部分となります。

 この腰椎の骨の部分や、椎間板とよばれるクッションの部分が、身体を前屈したり、後屈したり、
回旋したりした際にかなり疲弊してくるわけです。

 おおよその判断では、
前屈時に痛みや神経症状が出る場合 → 腰椎ヘルニア を疑う。です。

後屈時や側屈時の痛みや神経症状は、腰椎すべり症や脊柱管狭窄症を疑います。

 まぁ、訪問リハビリやデイケアにおいては、おおよその判断をしておいて、実際には
病院の受診を勧めます。
ぎっくり腰を含めての、筋・筋膜性腰痛の場合は、こちらで対応できますが、
ヘルニアが生じている場合は、
何と言っても ’無理をさせない’ です。

もっとも、1割くらいの人は、手術という対応になりますが、 予後は良いとも限りません。
病院にいると、実際に手術を行っても、状態が改善されるばかりか、帰って神経症状が増すような
人も多く見ました。
医師は過失を認めませんが、リスクがあることは、前もって説明され、確認書に署名させられます。

 ま、このテーマは話しだしてはきりがありませんので、
とりあえず、手術まで必要としない場合は、
椎間板ヘルニアの場合、痛みやしびれの出ない姿勢や動作を探っていく、
これが基本となります。

 ぎっくり腰などの場合は、、、安静 です。

変形性膝関節症の方の立ち上がり

こんばんは。

 本日は、変形性膝関節症の利用者さん、94歳の女性Mさんについてです。
この方は、一軒家に独居をしており、ゴミ捨てや買い物などは、
近所に住む家族やヘルパーさんの助けは借りますが、
家の中のADLをほぼ自分で行っている方です。

 ただ、Mさんは膝の変形が強く、左右両膝に可動域制限があります。
いわゆる変形性膝関節症の方は、膝をしっかり伸ばすことだけでなく、曲げることも難しくなります。
Mさんの場合、左膝のほうが動きが悪いのですが、膝を伸ばすことも十分でない上、
膝を曲げる角度は、伸ばしたところから30度程度です。
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膝をある程度曲げると痛いということは、歩行はともかく、立ち上がり時は上肢のちからを必要とするため、
Mさんのベッドは手すりが必要ですし、普段座っているソファからの立ち上がりの際にも、
ベストポジションバーが必要となります。このバーを引っ張ってようやくソファから立ち上がれる状態です。
ベストポジションバー
 ようやくお正月が明けましたが、この期間、私も三が日をおやすみして、その後、利用者さんの
家を訪れる時、かなり緊張します。
年末や年始は、何となく何かが起こることが多いような気がするのです。

 思った通り、Mさんは、ソファからずり落ちてしまって、立ち上がるのに大変苦労されたようです。
原因はいくつもありますが、一つには、Mさんのお家は和室が主な家であること、そして、
冬のため、厚めの靴下をはいており、この靴下にすべり止めがなかったこと。
普段通り引っ張ってソファから立ち上がろうとした際に、臀部がずり落ちてしまい、あとは
靴下も滑るために、あがけばあがくほどずり落ちてしまった、とのことでした。
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上の図から想像できると思いますが、一度、尻もちをつく形で体育座りをしてしまった利用者さんが、
前方へと姿勢を持ち直して、膝立ちになったり、さらにはそこから片膝立ちになったりするためには、
膝関節が最低でも伸ばした状態から90度程度は曲がる必要があります。
それと同時に、股関節や足関節の動きもある程度の柔軟性、
体幹のちから、バランス能力が必要となります。

 多くの膝関節症の方に共通しているのは、普段から膝を伸ばさず歩いていることもあり、
股関節や足関節の動きも、連動して落ちていることが多いこと、
そして、片膝だけでなく、反対側の膝にも影響が
出ている場合が多く、片方を完全な ’健側’ として使えないことです。

 さて、Mさんのように、一度、尻もちをついた場合は、横座りをしてから前方に立ち上がろうとしても
なかなか困難です。
Mさんも、上図のベストポジションバーを引っ張って前方へ立ち上がろうとしたようですが、
結局だめだったとのことでした。
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さて、そうなると、上図のマッチョさんのように、両上肢のプッシュアップのちからを使って、
臀部を持ち上げていくことが、方法の一つです。
まぁ、このように、きれいな姿勢にはなりませんが、
①滑ってしまう靴下を脱いで裸足になり、できるだけ滑らないようにする。滑り止めソックスなどあれば履き替える
 (人によって差がありますが、高齢者の足底は、乾燥している皮膚の場合、裸足でも滑ります)
②滑り止めのシートがあれば、それを用意する。または、代用となるような、滑らない素材のものを足元に敷く。
③低めの台座を用意して、プッシュアップにて臀部を持ち上げる
 (電動ベッドを一番低い高さにして、そのマットの上に臀部を持ち上げる)
という手順が踏めれば冷静な行動といえます。

 ただ、電動ベッドも、種類によってはあまり底床にならないものもあり、また、マットの厚みもあるため、
現実的には、
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10cm程度の台にまず臀部を乗せて、その後さらに10cm程度高い台座にお尻を乗せる、という方法があります。

 ただ、とっさの場合には、なかなかこのような環境がイメージできません。
Mさんも、一生懸命にベストポジションバーを引っ張って立ち上がろうとして、前方へと滑っていったようです。

 そこでMさんにひらめいたアイディアは、なんとか居間から玄関の框までいざっていき、
そこで上がり框に足を下ろし、そこから立ち上がるというプランでした。
これは、私としても普段あまりMさんには説明していなかったので、Mさんのひらめきにほっとしました。
つまり、
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玄関に何とか行くことで、身体を持ち上げるのでなく、足を下ろして立ち上がる環境をつくり、
玄関の手すりを用いて立ち上がったとのことでした。

言われてみればそりゃそうだ、という結果でしたが、私としては、一軒家ならではの、
転倒時の上がり框の使い方、という指導を一度もしていなかったことに反省しました。

居間でばかり、プッシュアップの練習していても、いざという時はやはり環境設定は難しいようです。
その意味では、今回のMさんの気転は素晴らしいものだったと思います。

お正月を終えた時に訪問リハビリを開始する時は、
’お変わりないですか?’という問いが、ドキドキの瞬間でもあります。








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